その小谷野は、『評論家入門』で、さりげなく斎藤孝にも言及している。同工異曲で儲けている書き手と言いたいのだろう。斎藤孝は1960年生まれで、小谷 野 より二歳上だが、同じ東京大学を出ている。それで、小谷野も意識しているのだと思う。しかし、斎藤はと言えば、問題にもしていないだろう。というか、斎藤 の方法論やテーマに、「評論家」あるいは、「書き手」としての小谷野は入って来ない。
確かに、斎藤は、同じようなテーマ、題材で、本を出しまくっている。
しかし、氏の学にアプローチする方法論は非常に面白いし、明確である。
本書は、癖をいかに、スタイルに昇華させていくかの、方法論であり、そのための文学作品分析が、すぐれた作品論にもなっている。
谷崎も太宰も、あまりポピュラーでない作品を引いて、読んでもみようという気にもさせる。
60年代生まれの書き手である、小谷野と斎藤は、「失敗例」と「成功例」のようでもある。う〜〜〜ん……なにが、二人を隔てているのか?
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